小学校英語教育が変わる!

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小中高校の教育内容を定めた学習指導要領の改訂案が固まりました。小学校5~6年生で外国語(英語)を正式教科にするほか、歌やゲームなどで英語に親しむ「外国語活動」の開始を3年生に早める。高校の地理歴史科を再編し、小中高の全教科にアクティブ・ラーニング(能動的学習)を導入するなど、時代の変化に応じた新しい学びの姿を打ち出した。(日本経済新聞:http://www.nikkei.com/より)

目次≪INDEX≫
 1.学習指導要領とは
 2.学習指導要領改訂による小学校英語教育の変遷
 3.「必修化」「教科化」の違いは?
 4.授業時間はどうなるんだろう?
 5.なぜ英語教育を変える必要があるのでしょうか?
 6.世界70カ国の英語力ランキング(Education Firstによる調査)
 7.日本の英語力調査結果

学習指導要領とは…

そもそも学習指導要領ってなんだろう?!

全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。また、これとは別に、学校教育法施行規則で、例えば小・中学校の教科等の年間の標準授業時数等が定められています。  各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。
(学習指導要領とは何か?:文部科学省より)
www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304372.htm

学習指導要領改訂による小学校英語教育の変遷

2008年度に小学5、6年生を対象に歌やゲームなどで英語に親しむ「外国語活動」(週1コマ)として小学校の英語教育は始まりました。そして、2011年度に小学5年生から「外国語活動」が必修化されることとなりました。
小学校段階から「聞く、話す、読む、書く」の4技能を総合的に育成する必要があるとして、今回の改訂で、さらに英語教育が低学年化されることになります。
これまでの「外国語活動」が 小学校3年生からに早まり、小学校5年生からの英語が正式教科に格上げされることになります。2020年度に完全実施となり、2018年度から段階的に先行実施が可能となりますので、学校によっては2018年度から移行期間として学習を開始されることになると思います。

「必修化」「教科化」の違いは?

小学校3年生からの「必修化」、小学校5年生からの「教科化」と聞いても、「必修化」と「教科化」って何が違うの?と思われるかもわかりません。
「必修」とは文字通り必ず小学校で教えられなければならないということです。しかし、「教科」とは違いますので、国語や算数など、その他の教科のように教科書がありません。よって学習内容・テキスト等は学校(教員)独自に決められます。例えば、現在社会人の方が小学生の頃、金曜日の6時間目などに「必修」の「部活動」の時間があった方も多いと思います。
「教科」とは、簡単に言えば、検定教科書(文科省の検定に合格した教科書)を使用し、テストが行われて通知表に数値による成績がつくということです。

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授業時間はどうなるんだろう?

では、英語の授業時間はどのぐらいあるのでしょうか?

小学校3、4年生⇒年間35コマ(週1コマ)
小学校5、6年生⇒年間70コマ(週2コマ)※ともに1コマ45分
ほかの教科は時数が変わらないため、小学3~6年生の授業時間は増えることになります。5、6年生より国語などの時数が多い4年生も含め、年間標準授業時数(最低限の授業時間)は1015コマ分、週29コマ相当になります。4年生以上の授業は現在週28コマ。このほかにクラブや委員会などの課外活動の時間もあります。児童の負担などを考えると週の授業時間は今の28コマが限界とされている中で、英語の週1コマ分をどのように捻出するかが課題となります。

文部科学省がが示した案によると、休み時間を利用したり、45分授業を60分に延長したりして15分程度の短時間学習の時間を確保する。これを週3回行って1コマとしたり、夏休みや冬休みなどに補習や英語キャンプを実施すれば授業時間を補えるとしています。

なぜ英語教育を変える必要があるのでしょうか?

加速化するグローバル化を視野に入れた、「使える英語」の教育へ変化

なぜ今回の学習指導要領で、英語教育はこのように変わるのでしょうか。グローバル化が進んでいる現状に対し、今までの学校教育ではなかなか身につかなかった「使える英語力」を、小学校から大学入試までの一貫した英語教育で行うことによって、きちんと身につけられるようにしていこうということです。残念ながら、日本の英語力は世界を見てもかなり低いものとなっています(次章参照)。小学3年生から英語を学習することにより、これまでよりも小学校、中学校で学ぶ内容の連携がよくなり、小・中・高できちんと英語の能力が積み上がっていくことが期待されています。

世界70カ国の英語力ランキング(Education Firstによる調査)

Education First(http://www.efjapan.co.jp/epi/) (以下、EF)という国際的な教育関連企業が発表した「EF English Proficiency Index」というレポートがあります。このレポートは、世界各国の成人の英語能力を指数化した「EF英語能力指数」の結果をもとに世界70カ国の英語力をランク付けされています。
TOEFL、TOEIC、IELTSといったよく知られている英語テストの結果をベースに各国の英語力が順位付けされたりしています。ただ、これらのテストはいずれも受験料が高すぎるので、国によっては受験者数が極めて少ないことや、受験する層が大きく偏るという問題も指摘されています。
一方、オンラインで提供されているEFの英語力テストは、無料ということもあってTOEFLなどをあまり受けない(受けられない)国からの受験も多く、今回のレポートでも70カ国という多くの国が対象となっています。
ちなみに、この調査は8年前からスタートしていて、5回目となる今回のレポートは2014年に受験した全世界で910,000人のスコアがベースになっています。

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アジアの中では、シンガポール、マレーシア、インド、韓国、ベトナムに続く6位です。平均よりはやや高い順位であるものの、他国と比べても、日本は先進国かつ英語教育が盛んな国であるといったことを考えると、この順位は低いと言えます。

日本の英語力調査結果

文部科学省から、平成26年度の日本の英語力調査結果(高校3年生)が発表されています。
この調査は高校3年生7万人を対象にした英語力調査です。文科省の目標はグローバル人材育成に向けた成果指標は、高校卒業時に英検準2級~2級程度以上です。英検のサイトを見ても、高校卒業程度のレベルは英検2級となっています。
今回の日本の英語力調査では英語力を測る指標としてCEFRが使われていますが、わかりやすいようにそれに対応する英検レベルで、見ていくことにします。下図スコア分布の、B2が英検2級相当、B1が英検準2級相当となります。これを見る限り、英検2級程度の実力を持つ高3生は2%しかいないことになります。英検準2級相当の人も、「読む・聞く」で25%程度、「書く・話す」では13%程度しかいません。

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現時点での日本の英語教育は、「勉強しても話せない、理解できない」というのが露呈されています。
グローバル人材育成の目標に対して、2%では衝撃的過ぎます。新学習指導要領の変更は必然と言えるかもしれません。

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