自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
戦後の日本を代表する女性詩人にして童話作家、エッセイスト、脚本家である茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩。
こころに響く素晴らしい詩です。
失敗を「国のせい」「会社のせい」「お客のせい」「法律のせい」などなど、
周囲の環境のせいにして結論付けてしまう人、そんなあなたは起業に向いてないかもしれません。